皮膚の老化は、単に水分が不足する現象ではありません。真皮を支えるコラーゲンが減少し、その配列が乱れることで、皮膚が薄くなり、小じわ、毛穴の目立ち、弾力低下が同時に現れることがあります。
LAETIGENは、皮膚の主要な構造を担うI型コラーゲンを真皮に補充するアテロコラーゲン製剤です。コラーゲンの産生を促す成分とは出発点が異なり、皮膚の回復過程に必要なコラーゲン素材を直接届ける方法です。
ほかのコラーゲン製剤は白いのに、なぜ透明なのでしょうか?溶液・粒子と光の散乱
凍結乾燥したコラーゲン粉末や微粒子が液体中に浮遊すると、光がさまざまな方向に散乱し、白色または不透明な懸濁液のように見えることがあります。添加物や塩類、粒子の大きさ、凝集状態も外観に影響します。
光学的な違い光の通り方の違い
粒子が浮遊する懸濁状態
懸濁液
粒子や凝集体で光が多方向に散乱
粉末・微粒子・凝集体が多いほど、濁ったり白く見えたりすることがあります。
均一に分散した溶液状態
均質な溶液
大きな粒子による散乱が少なく、光が透過
大きな粒子や凝集が少なく均質であるほど、透明に見えることがあります。
入射光・透過光散乱光
製剤の光学的な違いを説明する概念図です。実際の製品の粒子径や分子構造を、同じ縮尺で表したものではありません。
01均一な分散状態コラーゲンが比較的均等に存在する製剤であることを示す場合があります。
02粒子と凝集の低減光を散乱させる大きな粒子や凝集体が少ないほど、透明に見えます。
03精密な注入を考慮した物性皮膚の厚さや部位に合わせた、細やかな施術設計に活用されます。
04品質の判断は試験資料で純度・無菌性・ウイルス安全性・構造の確認結果を総合的に見る必要があります。
透明であることだけでは、高純度や安全性が証明されるわけではありません。 溶液の透明度は、濃度、pH、粒子径、屈折率、添加物など、さまざまな要因の影響を受けます。
純度99.9%のコラーゲンとは?純度と構造の保持
製品資料では、LAETIGENは純度99.9%のI型アテロコラーゲン製剤と説明されています。アテロコラーゲンは、コラーゲンの末端にあるテロペプチドを除去したもので、免疫反応の可能性を低減する目的で用いられます。
タンパク質純度分子量・構造無菌試験ウイルス安全性SDS-PAGEなどの分析
コラーゲンは熱や加工条件によって変性することがあるため、製造・滅菌の過程で構造がどの程度保たれているかを確認することが重要です。具体的な滅菌条件や試験結果は、製造元の許認可資料や品質文書で確認する必要があります。
過去のコラーゲン注射とは何が違うのでしょうか?初期のコラーゲンフィラーから精製アテロコラーゲンへ
過去にもコラーゲン注射は使用されていましたが、さまざまなボリューム補充用フィラーがその役割を担うようになりました。当時の製品では、アレルギー反応や結節などの副作用が、治療選択の負担になることもありました。
以前
従来のコラーゲン注射
主に、くぼんだ部位を補うフィラーとして使用されていました。
- ボリューム補正が中心
- 免疫反応や結節への懸念
- 多様な代替フィラーの登場
現在
精製アテロコラーゲン
テロペプチドを除去し品質を管理したコラーゲンを、皮膚の構造と質を考慮して使用します。
- 製剤化・精製技術の進歩
- 真皮の構造的な環境へのアプローチ
- 部位に応じた注入深度と量の設計
精製技術が進歩しても、アレルギーや炎症反応の可能性が完全になくなるわけではありません。過去の製品と単純に比較するのではなく、製品の承認内容、原料と精製方法、患者さんの既往歴をあわせて確認する必要があります。
LAETIGENは皮膚でどのように作用するのでしょうか?前臨床研究から示唆されること
2025年に発表された研究では、老化したヒト真皮線維芽細胞と高齢マウスの皮膚にアテロコラーゲンを適用したところ、GlyT1というグリシントランスポーターの発現増加とともに、コラーゲン代謝に関連する変化が観察されました。
真皮での作用機序真皮で研究された作用の流れ
- 1
真皮にコラーゲン素材を届ける皮膚の厚さや部位に合わせて、注入する深さと量を設計します。
- 2
GlyT1・グリシン経路の変化老化細胞と高齢マウスの皮膚で、GlyT1の発現増加が観察されました。
- 3
コラーゲン代謝に関連する変化研究では、I型・III型コラーゲンの合成、線維密度、マウスの皮膚弾力に変化が確認されました。
研究の範囲 — この研究は、老化したヒト線維芽細胞を用いた細胞実験と、高齢マウスでの実験です。ヒトでの施術効果や持続期間を直接証明した臨床試験と解釈することはできません。
アテロコラーゲンを真皮に適用した後、研究で観察された経路を簡略化した図です。実際の分子の大きさや時間経過を、同じ縮尺で表したものではありません。
この結果は、LAETIGENが外からコラーゲンを補うだけでなく、皮膚がコラーゲンを産生・維持する環境と相互作用する可能性を示しています。ただし、実際の治療効果は皮膚の状態や注入方法によって異なる場合があります。
INEE ClinicのLAETIGEN治療設計目の前の皮膚に合わせた設計
INEE Clinicのキム・ミンスン院長は、この2025年の作用機序研究に著者として参加しました。 治療では製品名だけで計画を立てるのではなく、皮膚の厚さ、しわの深さ、弾力、瘢痕、毛穴の状態を評価して、注入する深さと量を決定します。
皮膚の厚さ目元・口元のように薄い部位と、頬や瘢痕のある部位では、同じ深さや方法で施術するわけではありません。
悩みの種類小じわ、弾力、毛穴、肌のきめのうち、どの変化が中心なのかを確認します。
注入する深さと量皮膚の構造と治療部位に合わせて、精密に設計します。
過去の施術歴フィラーやほかのスキンブースター、エネルギーデバイスによる治療歴も確認します。
押さえておきたいポイント
- LAETIGENの透明性は、高純度に精製された均一なコラーゲン粒子が生み出す特徴です。
- 透明性だけでなく、純度、組成、添加物、均一性、安全性の試験資料などもあわせて確認する必要があります。
- LAETIGENを用いた治療は、単にコラーゲンを補充するだけでなく、コラーゲンとエラスチンの産生を増加させ、弾性線維の配列にも影響することが動物実験で示されています。
LAETIGENの透明さは、製剤を理解する出発点です。良い治療の基準は外観だけではなく、どのようなコラーゲンを、どの皮膚層に、どれだけ精密に適用するかにあります。
執筆INEE Clinic キム・ミンスン 院長
執筆日2026年8月18日